釈迦は家族に否定的です。
理由は、家族を愛するという動物の基本的な本能に根差した執着の行きつく先は、それだけ膨大な苦しみの種になりえるからです。
実際、釈迦は自分の子供に、ラーフラ と名付けました。
その理由として
「我が破らねばならぬ障碍(ラーフラ)ができた」
と釈迦が言ったという説があるそうです。
まぁ、冷静に考えて親として人でなしですね(笑)。
あと、妻と家を捨てて出家していたある有望な弟子が、親族や妻に後継ぎの子供をどうしてももうけてほしいと泣きつかれて子をつくったと聞いた釈迦は、人格者の釈迦にしては珍しく、マジ切れして口汚く罵ったらしいです。
釈迦は家族愛という執着さえ捨てよというわけです。なぜなら苦しみのもとになるからと。
たしかに、思考の流れとしては100%正しいと思います。
ただ、「わかっちゃいるけどやめられない」という名言もある通り、そこまで徹底して苦しみの種を自分から抜き去ることをなしえる人がそれほど多くいるのかという疑問があります。
また、逆に、人類全員が釈迦の説に賛成し実践したら、理論上、人類は消滅しますね。
ただ、釈迦のとなえる、そういう一種の狂気と思えるほどのいわば極論に、抗いがたい魅力を私が感じているのも事実です。